¥Today 初めての銀行取引HowTo

口座をどこで、どう開くか

事業を始めたら、まず事業用の口座を一つ持つ。ただ作るのではなく、開くその瞬間から取引の入口にすること。ここで述べる手続きと心得は、出資金など信用金庫ならではの要素を除けば、地方銀行・信用金庫・信用組合に共通する、最初の一歩です。

TIPS-C ・ 初めての銀行取引HowTo

はじめに——これは「地方の金融機関」共通の話

この記事は信用金庫を例に説明する箇所がありますが、出資金や会員制度といった信用金庫(信用組合)ならではの要素を除けば、ここで述べる手続き・心得は、地方銀行・信用金庫・信用組合のいずれでも共通するフローだと思ってください。都市銀行(メガバンク)を別にすれば、地域の金融機関との付き合い方は、おおむね同じ作法で通ります。

どこで開くか

事業を始めたら、まず事業用の口座を一つ持ちます。個人の口座と事業のお金を混ぜないだけでも、後々の経理や説明がずっと楽になります。

どこで開くか。これから融資も含めて長く付き合いたい、地元の金融機関を選ぶのが基本です。地方銀行でも、信用金庫でも、信用組合でも構いません。自宅や事業所の近くに支店があり、担当者が足を運べる距離にあること。地域に根ざした金融機関ほど、近所の事業者をよく見てくれます。

窓口で、名乗りを上げる

口座を開くとき、ただ「口座を作りたい」で終わらせないこと。ここが最初の分かれ目です。

名刺を出して、こう告げます。「商売をしている(会社を経営している、これから設立する)。今後、融資を含めて取引をお願いしたい」。たったこれだけのことですが、相手の受け取り方が変わります。あなたは「口座を一つ作りに来た人」ではなく、「これから取引を育てていく相手」として記録されるのです。最初に意思表示をしておくことが、後の取引の土台になります。

信用金庫の場合——会員になるということ(信金・信組に固有)

ここだけは、信用金庫(および信用組合)に固有の話です。

信用金庫は、株式会社の銀行とは成り立ちが違います。地域の会員が出資し合って支える協同組織で、融資は原則として会員に向けたものです。信用金庫では、口座を作るその時点で出資をして会員になります。つまり、口座開設と会員加入は同じ窓口での一続きの手続きです。

出資と聞くと身構えるかもしれませんが、額は大きくありません。会員の出資の最低額は、信用金庫法と同施行令によって「5,000円を下回ってはならない」と定められており、実際にいくらにするかは各金庫が定款で決めています。窓口で確認できます。

なお制度上は、会員にならなくても700万円以下の小口の貸付や手形割引は利用できることになっています。ただ、これは実務ではあまり当てになりません。いざ借りようとすれば、普通は会員になることを勧められます。そもそも口座を開設する時点で会員になるわけですし、融資取引を視野に入れるなら、はじめから会員になる前提で動くほうが現実的です。

(地方銀行は株式会社なので、こうした出資・会員の仕組みはありません。口座を開いて取引を始める、というだけです。)

口座は、開いてからが始まり

口座を開き、名乗りを上げた。それで取引の入口に立ったことになりますが、まだ「これからの相手」として認識された段階にすぎません。金融機関にとってあなたが「貸せる相手」になるには、ここから口座を育てていく時間が必要です。

その「育て方」——売上の入金をどう通すか、なぜ積立が効くのか——は、次の記事で詳しく扱います。

本記事は一般的な銀行取引の考え方を示すものです。会員制度・出資金の内容や条件は金融機関ごとに異なりますので、具体的な取扱いは各金融機関の窓口でご確認ください。

出典:信用金庫法第11条・同施行令(会員の出資最低額は5,000円を下回れない/e-Gov法令検索)。会員制度・出資金・小口貸付の取扱いは、各信用金庫が公開する会員制度の案内(筑後信用金庫「会員制度・出資金についてのよくある質問」ほか)による。

← お金と銀行のTips 一覧へ | ¥Today トップへ