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北陸銀行——北陸から北海道まで広がる地銀は、何に貸すか

預貸率75.0%、預金7.9兆円。富山市に本店を置く北陸銀行。北陸三県から北海道まで広い店舗網を持つ広域地銀「ほくぎん」が、薬・アルミ・米の北陸で貸す姿を読みます。

ニホン銀行紀行 ・ 富山県

富山県富山市に本店を置く北陸銀行は、地元で「ほくぎん」と呼ばれる地方銀行です。預金7兆8,739億円、貸出金5兆9,017億円、店舗188。富山県を本拠としながら、北陸三県(富山・石川・福井)から、遠く北海道にまで店舗網を広げる広域地銀です。富山県および県内多くの自治体の指定金融機関——公金を扱う銀行——でもあります。

本拠地の富山県は、日本海に面した北陸の中核県です。「越中富山の薬売り」で知られる医薬品産業、アルミサッシなどのアルミ加工、立山連峰の水を生かした水力発電と電力多消費型の産業、そして米どころとしての農業——ものづくりと農業の両方に厚みを持つ土地です。北陸新幹線が通り、首都圏ともつながりました。この、産業の厚い北陸という地盤と、北海道まで広がる広域地銀という立場が、北陸銀行の数字を読む鍵になります。

北陸銀行は、江戸期の加賀藩の系譜を引く古い歴史を持ち、北陸の経済とともに歩んできました。北陸三県に加えて北海道にも古くから地盤を築き、いまは北海道銀行とともに「ほくほくフィナンシャルグループ」を構成することで知られます。北陸と北海道という、離れた二つの地域にまたがる珍しい広域地銀です。数字の面で目を引くのは、預貸率75.0%という水準です。

まず、数字を並べる

北陸銀行の預金は7兆8,739億円、貸出金は5兆9,017億円、預貸率75.0%。自己資本比率は10.08%、不良債権比率は2.24%。中小企業等向けの貸出残高は3兆4,671億円にのぼります。

北陸銀行(令和7年3月末)
預金7兆8,739億円
貸出金5兆9,017億円
預貸率75.0%
自己資本比率10.08%
不良債権比率2.24%
中小企業等向け貸出残高34,671億円
店舗188店

預貸75.0%・店舗188。北陸と北海道にまたがる広域地銀の数字。

75.0%を、広域地銀の立場から読む

預貸率75.0%は、地方銀行として標準的な水準です。集めた預金の4分の3を貸出に回している。広い地盤を持つ地銀として、相応に貸しながらバランスを保っていることの表れと読めます。

北陸銀行が貸す相手は、北陸三県と北海道の事業者と個人です。富山の医薬品・アルミ・電力多消費型の産業、北陸三県の製造業や建設業、北海道の事業者、そして各地の住宅ローンが、その融資先に含まれます。中小企業等向けの貸出残高3兆4,671億円という規模は、広い地盤の事業者の資金需要を引き受けてきたことを示しています。一つの県に閉じず、北陸三県から北海道まで地盤を広げていることが、貸し先の幅と分散を生む。離れた地域にまたがることで、特定の地域経済の浮き沈みに左右されにくくなる面もあります。預貸率75.0%という水準は、こうした広域地銀の安定した貸出姿勢の表れと読めます。

不良債権比率2.24%は、地銀として標準的からやや高めの水準です。広い地盤に貸し先が分散していること、北陸を代表する銀行としての与信管理が表れていると読めます。自己資本比率10.08%という相応の厚みとあわせて、広域地銀として安定した経営がうかがえます。もちろん、これらの比率には経営方針や景気も絡むため断定はできませんが、北陸と北海道にまたがる広域地銀という立場を抜きに、この数字は読めません。

北陸銀行が示すのは、北陸三県から北海道まで地盤を広げ、産業の厚い北陸を支える広域地銀の姿です。薬・アルミ・米の富山を本拠に、離れた地域にまたがって貸す。預貸率75.0%という水準は、広い地盤に貸し先を分散させる広域地銀の安定の表れと読めます。

同じ富山で、漁港のまちの信金と並べてみる

本紀行には、同じ富山県の氷見伏木信用金庫も登場しています。氷見伏木信金は、寒ブリで知られる漁港・氷見と、港町・伏木に根ざす信金でした。北陸三県から北海道まで広がる北陸銀行(預貸率75.0%・店舗188)と、富山県西部の漁港のまちに根ざす氷見伏木信金とを並べると、同じ富山でも、広域に展開する地銀と、特定の港町に密着する信金とで、地盤の広さも性格も大きく異なることが見えてきます。広域地銀と漁港の信金——両者を並べると、富山の金融の層が見えてきます。漁港のまちの信金の姿は、氷見伏木信用金庫の記事もあわせてどうぞ。

借り手にとっての意味

広域に展開する地銀は、北陸の事業者にとって、もっとも有力な選択肢のひとつです。北陸三県から北海道まで広がる店舗網は、地域を越えた取引を目指す企業にとって心強いものです。預貸率は標準的な水準で、それが個別の融資の可否を一律に決めるわけではありません。預貸率という数字の読み方は、預貸率の読み方であらためて整理しています。

数字は、広域地銀の地盤を映す

預貸率75.0%という水準と、188という店舗数は、薬・アルミ・米の富山を本拠に、北陸三県から北海道まで地盤を広げてきた広域地銀の姿を映しています。一つの県に根ざす地銀もあれば、北陸銀行のように離れた地域にまたがる広域地銀もある。数字は、その金融機関がどんな地盤に立っているかを語ります。北陸銀行の数字は、北陸を支える広域地銀「ほくぎん」の、いまの記録です。

各地の金融機関には、それぞれの地盤と歩みの事情が刻まれた、それぞれの生き方があります。富山県の他の金融機関とあわせて眺めたい方は、富山県の地域金融機関のページもどうぞ。

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出残高=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(預貸率は貸出金÷預金で算出)。
北陸銀行の沿革(富山市本店、北陸三県から北海道まで店舗網を持つ広域地銀、北海道銀行とともにほくほくフィナンシャルグループを構成すること、富山県等の指定金融機関であること)に関する記述=北陸銀行・ほくほくフィナンシャルグループおよび各種公開情報にもとづく。
富山県の産業(医薬品、アルミ加工、水力発電と電力多消費型産業、米作、北陸新幹線)に関する記述=各種公開情報。
氷見伏木信用金庫の位置づけ=各種公開情報および本紀行既出記事。

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