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池田泉州銀行——北摂と泉州、二つの地盤を継ぐ地銀は何に貸すか

預貸率82.5%、預金5.7兆円、不良債権比率1.06%。大阪市に本店を置く池田泉州銀行。阪急沿線の池田銀行と泉州の泉州銀行が合併して生まれた大阪の地銀が、二つの地盤で貸す姿を読みます。

ニホン銀行紀行 ・ 大阪府

大阪府大阪市北区茶屋町に本店を置く池田泉州銀行は、預金5兆7,151億円、貸出金4兆7,153億円、店舗139の地方銀行です。大阪に本店を置く地銀のひとつで、大都市・大阪を地盤としています。

本拠地の大阪は、西日本最大の経済圏であり、商いの街として知られます。中小企業の数は全国有数で、町工場から商社、サービス業まで、多種多様な事業者が密集する土地です。メガバンクも地銀も信金も信組もひしめく、日本でもっとも金融機関の競争が激しい市場のひとつでもあります。この層の厚い大阪という土地柄と、二つの地盤を引き継いだ成り立ちが、池田泉州銀行の数字を読む鍵になります。

池田泉州銀行の歩みは、二つの銀行の合流でした。2010年5月、大阪府北西部・池田市を中心に阪急電鉄沿線で地盤を固めてきた池田銀行と、大阪府南部・岸和田市を本拠に泉州地方の繊維工業など地場の中小企業に貸してきた泉州銀行が合併して発足しました。北摂と泉州——大阪府内でも性格の異なる二つの地盤を、ひとつの銀行が引き継いだことになります。数字の面で目を引くのは、預貸率82.5%という高さです。これを、大阪という土地と二つの地盤から読みます。

まず、数字を並べる

池田泉州銀行の預金は5兆7,151億円、貸出金は4兆7,153億円、預貸率82.5%。自己資本比率は10.10%、不良債権比率は1.06%と低い水準です。中小企業等向けの貸出残高は3兆8,607億円にのぼります。

池田泉州銀行(令和7年3月末)
預金5兆7,151億円
貸出金4兆7,153億円
預貸率82.5%
自己資本比率10.10%
不良債権比率1.06%
中小企業等向け貸出残高38,607億円
店舗139店

預貸率82.5%・不良債権1.06%。大阪の地銀が二つの地盤で貸す数字。

82.5%を、大阪と二つの地盤から読む

預貸率82.5%は、地方銀行のなかでも高い水準です。集めた預金の8割超を貸出に回している。層の厚い大阪の中小企業に、しっかり資金を流していることの表れと読めます。

池田泉州銀行が貸す相手は、大阪の多様な事業者です。北摂エリアの個人や住宅取得層、泉州エリアの繊維をはじめとする地場の中小製造業、大阪市内の商業・サービス業が、その融資先に含まれます。中小企業等向けの貸出残高が3兆8,607億円と、貸出金の大半を占めることが、この銀行が地域の中小に深く貸し込んでいることを示しています。大阪はメガバンクから信金・信組までがひしめく激戦区であり、そのなかで預貸率82.5%を保つには、二つの地盤の顧客基盤をしっかり束ね、積極的に貸す姿勢が要ります。北摂の個人取引の厚みと、泉州の中小企業との結びつき——性格の異なる二つの地盤を引き継いだことが、貸出先の幅を生んでいると読めます。

不良債権比率1.06%は、地銀として低めに抑えられた水準です。大都市・大阪の多様な業種に貸し先が分散していること、そして両行が長年つちかってきた地元企業との関係にもとづく目利きの表れと読めます。自己資本比率10.10%という相応の厚みとあわせて、よく貸しながらも守りを保つ経営がうかがえます。もちろん、これらの比率には経営方針や景気も絡むため断定はできませんが、層の厚い大阪という土地と、北摂・泉州という二つの地盤を抜きに、この数字は読めません。

池田泉州銀行が示すのは、二つの地盤を引き継いだ地銀が、激戦区・大阪で高く貸す姿です。阪急沿線の北摂と、地場産業の泉州——性格の違う二つの顧客基盤を束ねて、預金の8割超を中小企業に流す。82.5%という高さは、合併で得た幅の広さの表れと読めます。

同じ大阪で、信金と並べてみる

大阪には、地銀だけでなく有力な信用金庫もひしめいています。本紀行には、大阪市の大阪シティ信用金庫も登場しています。地銀である池田泉州銀行(預貸率82.5%)と、信金である大阪シティ信金とを並べると、同じ大阪の中小企業を相手にしながら、地銀と信金とで貸し方や規模の論理がどう違うかが見えてきます。地銀は会員制度の枠なく広く貸せる一方、信金は地区内の中小事業者に貸す相手が絞られる。同じ激戦区で異なる立場の金融機関がどう棲み分けるのか、大阪シティ信用金庫の記事もあわせてどうぞ。

借り手にとっての意味

大阪の地銀は、府内の中小事業者にとって、メガバンクより距離が近く、信金より広く貸せる中間の選択肢になりえます。とりわけ池田泉州銀行は、北摂・泉州という二つの地盤の企業との結びつきが厚い。高い預貸率は積極的に貸す姿勢の表れとも読めますが、それが個別の融資の可否を保証するものではありません。預貸率という数字の読み方は、預貸率の読み方であらためて整理しています。

数字は、二つの地盤を映す

預貸率82.5%という高さは、層の厚い大阪に根ざし、北摂と泉州という性格の異なる二つの地盤を引き継いで、幅広い中小企業に貸してきた地銀の姿を映しています。一つの地盤で完結する地銀もあれば、池田泉州銀行のように二つを束ねる地銀もある。数字は、その金融機関がどんな土地で、どんな成り立ちを背負って貸してきたかを語ります。池田泉州銀行の数字は、二つの銀行の合流から生まれた大阪の地銀の、いまの記録です。

各地の金融機関には、それぞれの土地と成り立ちの事情が刻まれた、それぞれの生き方があります。大阪府の他の金融機関とあわせて眺めたい方は、大阪府の地域金融機関のページもどうぞ。

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出残高=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(預貸率は貸出金÷預金で算出)。
池田泉州銀行の沿革(2010年5月に池田銀行と泉州銀行が合併して発足、本店は大阪市北区茶屋町)、旧池田銀行が池田市・阪急沿線の北摂を地盤に個人取引で成長したこと、旧泉州銀行が岸和田市・泉州地方の繊維工業など地場中小企業に貸してきたことに関する記述=池田泉州銀行および各種公開情報にもとづく。
大阪府の経済(西日本最大の経済圏、中小企業の集積、金融機関の競争)に関する記述=各種公開情報。
大阪シティ信用金庫の位置づけ=各種公開情報および本紀行既出記事。

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