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千葉銀行——県内シェア4割の大手地銀は、何に貸すか

預貸率81.3%、預金16.3兆円、不良債権比率0.91%。千葉市に本店を置く千葉銀行。県内貸出シェア約4割・地銀トップクラスの資産規模を誇る大手地銀の数字を、人口流入の続く千葉という土地から読みます。

ニホン銀行紀行 ・ 千葉県

千葉県千葉市に本店を置く千葉銀行は、地元で「ちばぎん」と呼ばれる、地方銀行のトップクラスに位置する大手行です。預金16兆2,687億円、貸出金13兆2,333億円、店舗187。日経平均株価の構成銘柄でもあり、地銀でありながらニューヨーク・ロンドン・香港・シンガポールに支店を持つなど、規模・収益力ともに全国有数の地方銀行です。

本拠地の千葉県は、首都圏の一角として、いまも人口流入が続く活力ある土地です。全国上位の人口と経済規模を誇り、第1次産業から第3次産業までバランスの取れた産業構造を持ちます。成田国際空港をはじめとする充実した交通網が、人々の生活と企業活動を支えている。こうした、成長ポテンシャルの高い千葉という土地で、千葉銀行は圧倒的なシェアを握ってきました。県内の貸出金シェアは約4割、預金シェアは約3割で、いずれも県内最大。千葉県・千葉市をはじめ県内の多くの自治体の指定金融機関——公金を扱う銀行——でもあります。この、県を代表する大手地銀という立場が、千葉銀行の数字を読む鍵になります。

千葉銀行の歩みは、1943年、千葉合同銀行・小見川農商銀行・第九十八銀行の3行が合併して誕生したことに始まります。以来、千葉県の発展とともに成長を続けてきました。数字の面で目を引くのは、預貸率81.3%という高さと、不良債権比率0.91%という、1%を切る低さの両立です。よく貸しながら、焦げ付きはきわめて低い。この組み合わせを、成長する千葉という土地から読みます。

まず、数字を並べる

千葉銀行の預金は16兆2,687億円、貸出金は13兆2,333億円、預貸率81.3%。自己資本比率は14.14%、不良債権比率は0.91%と低い水準です。中小企業等向けの貸出残高は10兆3,393億円にのぼります。

千葉銀行(令和7年3月末)
預金16兆2,687億円
貸出金13兆2,333億円
預貸率81.3%
自己資本比率14.14%
不良債権比率0.91%
中小企業等向け貸出残高103,393億円
店舗187店

預貸率81.3%・不良債権0.91%。よく貸しながら焦げ付きはきわめて低い。

81.3%と0.91%を、成長する千葉から読む

預貸率81.3%という高さと、不良債権比率0.91%という低さ。この組み合わせは、成長する大市場を地盤とする大手地銀の、力強い経営を示しています。

千葉銀行が貸す相手は、千葉県内の幅広い事業者と個人です。首都圏の一角として人口が流入し続ける千葉では、住宅ローンの需要も、企業の設備投資の需要も旺盛です。県内貸出シェア約4割という圧倒的な基盤を持つ千葉銀行は、その豊富な資金需要を取り込み、預貸率81.3%という、地方銀行のなかでも高い水準を実現しています。集めた預金の8割を超える額を貸出に回せるのは、貸す相手がそれだけ豊富にいるからにほかなりません。人口減少に悩む地方の金融機関が預貸率を伸ばせずにいるのとは、対照的な構図です。

そして、これだけ貸しながら不良債権比率は0.91%と、1%を切る低さに抑えられています。これは、成長する千葉という土地の経済の底堅さと、県を知り抜いた大手地銀の目利きの両方の表れと読めます。多様な業種・地域・規模に貸し先が分散しているため、特定の産業の浮き沈みに左右されにくい。自己資本比率14.14%という厚みとあわせて、攻めと守りを高い次元で両立した、大手地銀ならではの安定がここにあります。もちろん、これらの比率には経営方針や景気も絡むため断定はできませんが、人口流入の続く千葉という成長市場を抜きに、この数字は読めません。近年は東京23区や埼玉県東部、茨城県南部にも店舗網を広げ、首都圏での新規開拓にも力を入れています。

千葉銀行が示すのは、成長する大市場を地盤とする大手地銀の力強さです。人口流入の続く千葉で県内シェア4割を握り、預貸率8割超でよく貸しながら、焦げ付きは1%未満に抑える。81.3%と0.91%の両立は、成長市場の底堅さと大手地銀の目利きの表れと読めます。

同じ県の、もうひとつの銀行と並べてみる

同じ千葉県には、第二地方銀行の京葉銀行があります。県を代表する大手地銀の千葉銀行と、中小企業や個人によりきめ細かく寄り添う第二地銀の京葉銀行とでは、規模も立場も役割も異なります。同じ成長市場・千葉を地盤にしながら、圧倒的なシェアと資金力で県全体を覆う大手地銀と、その隙間で地域に密着する第二地銀とが、重なり合って県の金融を形づくっている。これは優劣ではなく、それぞれの立ち位置の差です。両者を並べると、千葉県の金融の重層性が見えてきます。もうひとつの千葉の銀行の姿は、京葉銀行の記事もあわせてどうぞ。

借り手にとっての意味

県を代表する大手地銀は、千葉県の事業者にとって、もっとも身近な選択肢のひとつです。県内シェア4割という基盤と、海外拠点まで持つ資金力・ネットワークは、海外展開を目指す企業にとっても心強いものです。高い預貸率は積極的に貸す姿勢の表れとも読めますが、それが個別の融資の可否を保証するものではありません。預貸率という数字の読み方は、預貸率の読み方であらためて整理しています。

数字は、土地の成長を映す

預貸率81.3%という高さと、不良債権比率0.91%という低さは、人口流入の続く成長市場・千葉に根ざし、県内シェア4割を握って攻めと守りを両立してきた大手地銀の姿を映しています。人口減少に悩む地方の金融機関もあれば、千葉銀行のように成長市場の追い風を受ける地銀もある。数字は、その金融機関がどんな土地に立っているかを語ります。千葉銀行の数字は、首都圏の成長を取り込む大手地銀の、いまの記録です。

本紀行には、同じ千葉県の佐原信用金庫も登場しています。佐原信金は、利根川の水運で栄えた水郷の商都・佐原(香取市)に根ざす、千葉県北東部の信金でした。県内シェア4割で県全域を覆うこの千葉銀行(預貸率81.3%・預金16.3兆円)と、水郷の商都に密着する佐原信用金庫(預貸率43.0%・店舗16)とを並べると、同じ千葉県でも、成長市場を取り込む巨大地銀と、県北東部の地方都市に根ざす信金とで、規模も役割も大きく異なることが見えてきます。水郷の商都に根ざす信金の姿は、佐原信用金庫の記事もあわせてどうぞ。

各地の金融機関には、それぞれの土地と立場の事情が刻まれた、それぞれの生き方があります。千葉県の他の金融機関とあわせて眺めたい方は、千葉県の地域金融機関のページもどうぞ。

出典:預金・貸出金・預貸率・自己資本比率・不良債権比率・中小企業等向け貸出残高=金融庁「中小・地域金融機関情報一覧」令和7年3月末(預貸率は貸出金÷預金で算出)。
千葉銀行の沿革(1943年に千葉合同銀行・小見川農商銀行・第九十八銀行が合併して誕生)、県内貸出シェア約4割・預金シェア約3割で県内最大であること、千葉県・千葉市など多くの自治体の指定金融機関であること、日経平均株価の構成銘柄であること、ニューヨーク・ロンドン・香港・シンガポール等の海外拠点に関する記述=千葉銀行および各種公開情報にもとづく。
千葉県の経済(人口・経済規模、第1~3次産業のバランス、成田国際空港・交通網)に関する記述=各種公開情報。
京葉銀行の位置づけ=各種公開情報。

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